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海外在住の皆さんは資産運用してますか?
日本では、積立NISAが急速に普及していますが、海外在住の場合、日本の証券口座を作ることができないため、残念ながら積立NISAをスタートさせることはできません。
私は海外在住の30代前半の男性で、債券、株(米国を中心に全世界株)、仮想通貨、中国の不動産(ローン完済済み)、現金を持っており、合計の資産額は約3000万円です。
この記事では、私の経験に基づき、海外在住の日本人が資産運用する考え方とお金を増やす方法について解説します。
この記事では「長期投資」を前提に解説します。
海外在住日本人の資産運用における大事な考え方(ポイント)
海外に在住する日本人が資産運用をするにあたって、大事な考え方(ポイント)が3つあります。
どんな投資をするにしても基盤となるポイントです。
- 為替リスクを重視する
- 積立NISAやiDeCoを最優先する
- 居住国の銀行口座開設や節税制度によるメリットを知る
為替リスクを重視する
為替はメリットに働くこともありますが、基本的には大きなリスクだと考えるべきでしょう。
海外在住者が投資をする場合、日本円を外貨に変えなければならないケースが多くなりますが、そこで問題になるのが為替リスクです。
この記事を書いている今、歴史的な円安で1ドル160円になっています。
仮に今円を米ドルに変えて、数年後円に戻すとします。
もし数年後1ドル140円になった場合、それだけで12.5%損することになります。
また、為替手数料も発生するため、実際にはもっとマイナスが生じます。
「それは悪いのシナリオで、さらに円安になればプラスになるのでは?」
と思うかもしれません。
その通りなのですが、為替がどちらに振れるのかは誰にもわかりません。
例えば、2024年3月に日銀はマイナス金利政策を解除することを決めました。
円安が進む大きな原因は日米の金利差だと言われていたため、マイナス金利政策を解除すれば円高になるという予想が大半でした。
しかし、結果は逆でした。
むしろ円安が加速したのです。
このように何が起こるかわからないのが為替です。
「為替は予想できない」ということをまず理解し、為替はリスクになるという前提で投資を考えるべきです。
積立NISAやiDeCoを最優先する
海外在住の場合、NISA制度を利用することはできませんが、iDeCoは利用できます。
条件はありますが、もしiDeCoが使えるなら必ず使うべきです。
海外在住の私もiDeCoを利用して株式や債券を購入してます。
残念ながらNISAは使えませんが、もし数年後日本に戻る計画がある場合、今長期を前提として海外の投資商品を買うよりも、一時的に投資は我慢し、日本に戻ってからNISAを始めた方がいいと思います。
実際に、私は香港の貯蓄型生命保険を購入するか真剣に検討しましたが、数年後日本に戻る予定であることと、為替リスクを考慮して購入をやめました。
非課税制度は最強です。
日本の投資における非課税制度であるNISAとiDeCoは最優先で活用すべきです。
居住国の銀行口座開設や節税制度によるメリットを知る
海外在住者の最大のメリットは、滞在している国の銀行口座を開設できたり、その国の節税制度を利用できることです。
例えば、2023年にサービス開始された米アップルの普通預金の年金利は4.15%です。
私が住む中国では、定期預金の金利が3年もので年3%ほどです。(銀行によって異なりますが)
日本の預金金利と比較して圧倒的に高いのが魅力で、もしその国の居住者であれば口座開設することができます。
イギリスでは、ISAという非課税制度があり、イギリスに住む日本人を含む外国人も利用することができます。
このように居住国の制度やサービスを活用できるのが海外在住者の最大のメリットです。
海外在住者が検討すべき資産運用の方法
では、海外在住者はどのような方法で運用すればよいのでしょうか。
少し細かめに洗い出してみます。
- iDeCoを活用した株や債券への投資
- 香港の貯蓄型生命保険
- カンボジアの銀行による米ドル建て定期預金
- 仮想通貨
- 居住国の金利が高い預金
- 日本の銀行の定期預金
- 居住国の証券口座を通じた株や債券への投資
iDeCoを活用した株や債券への投資
前述の通り、海外在住でもiDeCoは活用できます。
年金の支払いをしていればiDeCoに加入できますので、もしまだ活用されてない場合はぜひ申し込みをしましょう。
私はSBI証券を使ってます。
SBI証券、または楽天証券あたりのネット証券がおすすめです。
香港の貯蓄型生命保険
香港の貯蓄型生命保険もおすすめです。
これは保険商品ですが、保険要素はほとんどなく、投資商品だと捉えて問題ありません。
仕組みとしては、3万ドル〜5万ドル程度(400万〜800万くらい)を一括か二括で入れて、15年から30年程度放置しておきます。
保険会社が世界中の株や債券に投資してくれるので、その運用益が増えていくという仕組みです。
投資信託に近いものなので、海外在住により投資信託が利用できないという方におすすめです。
保険会社が公表するシミュレーションでは、ざっくり30年で6倍くらいになるシミュレーションですが、実際にその通りにならないケースもあります。
商品別に、悲観シナリオを含むシミュレーションが公表されているので、それを見て検討されるとよいでしょう。
ちなみに私は、香港の保険を買おうか検討し、日本人向けブローカーの話も聞きましたが、結局購入することをやめました。
理由は、もし購入する場合元手となる通貨が日本円だったため、為替リスクがあるという点と、数年後に日本へ帰国する予定があるため、帰国してからNISAを始めた方がメリットがあると判断したからです。
今後も長く海外で暮らす予定の方は、香港の貯蓄型生命保険を検討してみてもいいと思います。
カンボジアの銀行による米ドル建て定期預金
カンボジアの銀行による定期預金は今富裕層の間で注目されつつあります。
それは金利が高く、米ドル建ての預金が可能だからです。
特徴はこの4つです。
- 定期預金の金利が6%〜7.5%ほどで非常に高い
- カンボジアに居住してない外国人でも銀行口座を開設することができる
- 米ドル建てで預金できる
- 日本語を話せるスタッフがいる銀行もあるため、口座開設時の言語のハードルがない
この特徴を見るととても良さそうですが、デメリットもあります。
- 万が一銀行が倒産したらお金が戻ってこない可能性がある
- カンボジア国内でも税金がかかる
メリットとデメリットを踏まえて総合的に判断する必要がありそうです。
一方でこういった新興国の銀行口座は、いずれ外国人は口座開設することが難しくなるケースが多いです。
例えば、香港は以前は外国人でも簡単に口座を作ることができましたが、今は非常にハードルが高くなっています。
香港居住者でないと作ることができません。
作れる時に作っておくという判断も重要です。
仮想通貨
仮想通貨もおすすめです。
私は2017年から仮想通貨を買っています。
仮想通貨で運用する時のポイントは3つです。
- 長期保有を前提とする
- ビットコインとイーサリアム以外は買わない
- 仮に失ってもダメージが少ない金額のみ入れる
仮想通貨によるおすすめの運用方法は、長期保有を前提として、ビットコインまたはイーサリアム(両方購入もよい)を購入することです。
ビットコインとイーサリアム以外は買わないようにしましょう。(ビットコインとイーサリアム以外はギャンブルと同じです)
また頻繁な売買も厳禁です。(取引所の売買手数料が高いこと、日本円に戻した時点で税金の申告対象になり面倒なためです)
一度買ったら数十年放置するつもりで購入することをおすすめします。
また、無くなってもよいお金だけ入れることも重要です。
仮想通貨は投資ではなく「投機」といわれるほど、不安定なものです。
目安としては貯金額の10%〜20%くらいの額がいいのではないでしょうか。
居住国の金利が高い銀行預金
アメリカなど金利が高い国に居住している場合、その国の定期預金を利用するのもおすすめです。
例えば、私が住む中国も日本より金利が高いです。(銀行や期間にもよりますが、年利3%程度)
中国の通貨は人民元なので、わざわざ日本円を元に変えてまで運用する必要はないと思いますが、もし人民元の収入があるなら、それを銀行の定期預金で運用するとよいかもしれません。
注意点は、日本へ帰国する場合は銀行口座を閉じなければならない可能性があるということです。
私の友人は、中国の定期預金を利用していましたが、期間満了前に日本へ帰国してしまい、期間満了時にお金を引き出そうとしたところ、既に中国に居住してなかったため手続きが非常に煩雑だったそうです。
日本への帰国予定がある方は、その点考慮して取り組む方がよいでしょう。
日本の銀行の定期預金
マイナス金利政策が解除されたとはいえ、まだまだ日本の金利は低いですが、銀行の普通預金で眠らせておくよりは定期預金を利用した方がまだ良いと思います。
近年ではネット銀行の定期預金の金利が高い傾向にあります。
居住国の証券口座を通じた株や債券への投資
海外在住の場合、日本では証券口座を作ることができませんが、居住国であれば証券口座を作る可能性があります。
もし作ることができる場合は、早めに作り、株や債券への投資がおすすめです。
注意点は、銀行口座同様に日本に帰国する際の対応です。
おそらく証券口座を閉じなければならないことになりますので、その点踏まえて取り組みましょう。
まとめ
この記事では、海外在住の日本人が資産運用する際の重要なポイントと具体的な方法について解説しました。
海外に住んでいると、日本国内で利用できる積立NISAなどの制度を活用できないため、異なるアプローチが必要です。
為替リスクの重視、iDeCoの優先活用、居住国の銀行口座開設や節税制度の利用といった基本的な考え方を踏まえ、資産運用を計画することが重要です。
また、米ドル建ての定期預金や仮想通貨の長期保有といった具体的な投資手段も検討すべきです。
この記事で紹介した方法を参考に、自分に合った資産運用を見つけ、しっかりと計画を立ててお金を増やしていきましょう。
長期的な視点を持ち、リスクをしっかりと管理しながら、将来の目標達成に向けて着実に資産を運用してください。